Express Entryプール22万6,793人 —
自分のCRSスコアはどこにいるのか
IRCCが2026年9月13日時点のExpress Entryプールのスコア分布を公開しました。候補者数は22万6,793人。カットオフ点数は「前回どこに扉があったか」を教えてくれますが、この分布データはそれでは分からないこと——自分のスコアが全体のどのあたりで、同じ位置に何人いるのか——を教えてくれます。公式数値をそのまま並べ、実務的な読み方を整理します。
スコア分布の全体像(IRCC公式・2026年9月13日時点)
| CRSスコア帯 | 候補者数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 601–1,200 | 574 | 0.3% |
| 501–600 | 20,784 | 9.2% |
| 451–500 | 72,107 | 31.8% |
| 401–450 | 61,560 | 27.1% |
| 351–400 | 46,782 | 20.6% |
| 301–350 | 17,240 | 7.6% |
| 0–300 | 7,746 | 3.4% |
| 合計 | 226,793 | 100% |
さらに細かく見ると、441–450点が13,657人、451–460点が14,823人、461–470点が16,163人、471–480点が16,105人、481–490点が12,426人、491–500点が12,590人です。つまり450〜480点あたりに人が最も厚く集まっています。
読み方 ① — 約80%が「中間地帯」に滞留している
351〜500点の帯には18万449人(全体の79.6%)がいます。問題は、この層を対象とする一般抽選(general draw)が現在行われていないことです。2026年を通じてIRCCはCEC・PNP・カテゴリー抽選のみを実施しており、この18万人の多くは「点数は悪くないが、開いている扉がない」状態にあります。
裏を返せば、この帯にいる方にとっては数点上げることよりも「どの扉を目指すか」を決めることの方がはるかに重要です。460点を470点にしても、どちらの点数でも抽選が動いていなければ結果は変わりません。
読み方 ② — 501点以上はわずか9.4%
501点以上は21,358人(9.4%)にすぎません。直近のCEC抽選のカットオフは519点・521点でしたから、実際に招待を受けた層はさらに限られます。ネット上では「500点台なら安心」という声も見かけますが、公式数値で見る限り500点は安全圏ではなく入口に近い位置です。
プール全体は8月30日比でわずか120人の純増にとどまりました。同じ期間に8,867通の招待状が発行されたにもかかわらず総数がほぼ変わらないのは、招待で抜けた分を新規プロフィールが埋めているということです。待っていても競争は緩みません。
読み方 ③ — PNPカットオフ734点の本当の意味
9月14日のPNP抽選のカットオフは734点でした。額面どおりに見ると絶望的ですが、誤解です。州ノミネーションには600点が自動加算されるからです。
| 抽選 | カットオフ | 600点を除いた本人スコア |
|---|---|---|
| PNP · 9月14日 | 734 | 134点 |
| PNP · 8月31日 | 697 | 97点 |
つまりノミネーションさえ確保できれば、本人のスコアが100〜130点台でも招待を受けているということです。CECのカットオフ519点と比べれば差は歴然としています。年齢・語学・学歴でスコアを伸ばしにくい方にとって州プログラムが現実的な道になるのは、まさにこの構造のためです。
読み方 ④ — カテゴリー抽選は基準が大きく低い
直近にIRCCが実際に実施した抽選を見ると、どの扉から入るかで必要なスコアは大きく変わります。
| 抽選(2026年) | 招待数 | カットオフ |
|---|---|---|
| PNP · 9月14日 | 576 | 734 |
| CEC · 9月15日 | 2,000 | 519 |
| CEC · 9月1日 | 2,000 | 521 |
| ヘルスケア・social services · 9月4日 | 3,500 | 475 |
| フランス語能力 · 8月19日 | 5,000 | 382 |
| 医師(Physicians) · 9月3日 | 229 | 198 |
ヘルスケアはCECより44点低く、フランス語カテゴリーは137点低い水準です。医師カテゴリーは198点。スコア競争を正面から突破しようとするより、該当し得るカテゴリーがあるかをまず確認することの方が近道になる場合が少なくありません。
スコア帯ごとに見るべきこと
| 現在のCRS | 現実的な視点 |
|---|---|
| 501点以上 | CECの招待圏に近い位置。今いちばん価値があるのは正確性の点検です——職歴のNOC分類、語学スコアの反映、家族情報の整合性。 |
| 451–500点 | プール内で最も人数が多い激戦帯(72,107人)。カテゴリーに該当するかどうかが事実上の分かれ目になります。 |
| 401–450点 | 一般抽選が動いていない現状では、カテゴリーまたは州ノミネーションなしでは厳しい水準。語学再受験で現実的に何点伸びるかを同時に試算すべき時期です。 |
| 400点未満 | スコア向上(語学・学歴認証・職歴)と、PNP・カテゴリー戦略を同時に設計する必要があります。片方だけでは差が大きすぎます。 |
まとめ
このデータが示していることは一つです。現在のExpress Entryは「点数競争」というより「経路選択」の問題だということ。22万人の約80%が滞留する中間地帯を抜ける方法は、数点上乗せすることではなく、CEC・カテゴリー・州ノミネーションのうち自分に開いている扉を正確に見極め、それに合わせて準備することです。その判断には年齢・職種(NOC)・語学・カナダでの就労経験・ジョブオファーの条件を併せて検討する必要があります。永住戦略の全体像は永住権サービスのご案内をご覧ください。
IRCC — Express Entry抽選結果およびプールのスコア分布(2026-09-13時点データ)
IRCC — Ministerial Instructions:各回の公式記録
IRCC — カテゴリー選抜 公式ページ
関連報道:CIC News(2026-09)— 2026年累計招待128,732通・CEC比率41.4%は同報道による数値
本記事は執筆日時点で公開されているIRCC公式データに基づく一般的なご案内であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。プール分布およびカットオフは随時変動しますので、ご判断の前に必ずIRCCの公式発表をご確認ください。